下松尾地区は昔、水が貧しくどの家も焼畑を生業としており、生活水にも困る尾根に位置していたため、近隣地区の住民からは、「下松尾には嫁にやるな」と言われる地区でした。今から約150年前、その時代の庄屋と地域住民が一体となり約4kmにも及ぶ水路を開拓し、米の生産も可能になり人々の生活も安定しました。地域住民と共に歩いてきた棚田は今では他に類を見ない風景を形成しています。
対岸に見える棚田の風景は、(天空に浮かんでいるように見え、まるで仙人が住んでいるかのように思われることから)「仙人の棚田」と呼ばれており、四季折々に違った景色を映し出してくれます。春から夏にかけては、青々しい若葉と新緑、秋には秋風になびく稲穂が黄金色に輝き、まさに日本の原風景ともいえます。