師走祭りは、旧暦12月14日から同16日(現在は1月下旬の金、土、日の3日間)に当たる日程(昭和10年代までは9泊10日間の日程で行われていた)で、比木神社(児湯郡木城町鎮座)の一行がフクロガミ(袋神、花笠ともいう)を奉じて、延々約23里におよぶ決まりの道を神門神社(東臼杵郡南郷村鎮座)まで巡行し、そこに滞在して帰る全国的にも極めて珍しい形式の祭りです。
それには往古、異国神(百済王の一族)がこの地に定着したとする由来伝説が語り継がれています。
神門神社に向かう「上りまし」にはお旅所に待ち受ける人々や沿道の篤信者は、フクロガミのふくらみ方や色合いによって年占をなしたほか、大根・にんじんなどの収穫物をフクロガミ巡行の路上に姿を表さないで差し出して置いたり、地区挙げて篝火をたいて迎えるなど、種々の習俗が伝えられています。
また、一行が帰路につく「下りまし」の際には、オサラバと称して、ヘグロ(墨)を顔に塗り、ショウケ(竹で編んだ笊)などを振って送る慣わしも見られるなど、この祭りには、地域住民の素朴な信仰形態が見られます。