美郷町西郷、田代神社(一〇三二年創建)の御田祭は、主祭神 彦火々出見命(ひこほほでみのみこと)の御神霊を上円野神社よりお迎えし、上の宮田から中の宮田への御神幸により行われる田植祭です。
祭りは古来から世襲制の家柄が中心に祭事役(サルタヒコ・ミヨド・ウナリ・ノボリモチ)を務め、これに一般の参詣者も加わり、神人・牛馬が一体となり、神田の代かきから田植えを行い、参詣者の無病息災と豊作を祈願します。
この祭りには、催馬楽(さいばら)の歌詞も伝えられ(昭和六十三年復元)古来の稲作神事がしのばれる、近郷では珍しい貴重な民俗行事とされています。
また、この御田祭を中心として、旧暦三月三日に桃花と、ひしもちを供える春の節句祭に始まり、新暦十一月下旬の大祭終わりの日、かまど神に稲の初穂を供えて行われる、お払い神事までの稲作儀礼は、古式を伝える重要な農耕行事となっています。
※サルタヒコ…御神幸行列の案内役
※ミヨド………祭事の世話役
※ウナリ………白衣にタスキをかけ、頭上に赤飯を入れた飯びつをのせて運び、参詣者に赤飯にぎりを配る役
※催馬楽………平安時代に隆盛した古代歌謡
無形民俗文化財
(昭和四十八年六月四日 村(町)指定)
(昭和六十三年三月八日 県指定)
令和4年度の御田祭は、中止が決定されております。